2012年1月31日火曜日

2060年、5人に2人が65歳以上 人口3割減8674万人

日経新聞の記事「2060年、5人に2人が65歳以上 人口3割減8674万人」

厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所によって昨日発表された将来推計人口。

日本の将来推計人口(平成24年1月推計)

世界の総人口はまだまだ増え続けるが、その流れから最先端を行ってしまって、日本の総人口は05年をピークに減少し始めた。そして少子高齢化が加速するという人口オーナスに突入。そのために社会保障制度の将来像の確立が急務となっている。

間違いなく訪れる人口が1億を切る日本の将来。その1億という人口だが、経済が伸びてきてたどり着くその数と、一度1億4千万までいってピークをうってからの下り坂でたどり着く1億という人口。余分なものが多いのが下り坂。相当苦しい時代に入っていくことになる。

そんな時代を目の前にして、「縮小時代の建築モデル」などといいながら、時代の先に応える発言をするのが、社会に足をおろした建築家のあるべき姿と言わんばかりに、先取りしての需要を独占しようとするかなり浅いジェスチャーが見え隠れする建築家達の言動も同時に目立つようになってくる。

シニカルな視線はあるだろうが、やはりそんな時代に何が起こるか考えるのかは必要だろうが、「建築」というものがそんなに軽いものなのだろうか?と思わずにいられない。縮小した社会でも、それでもやっぱりそこに住む人に生きることの豊かさを与えられる建築が、必ず存在するのだろうと信じたい。

2012年1月27日金曜日

夜行バス

現代の日本で建築事務所をやっていると、否が応でも支出をどうやって減らしていくかを考えないと、本当にあっというまに事務所を閉める羽目になる。

大阪までの出張でも、お客さんからは一人分の経費で計上させてもらっているので、スタッフに引継ぎの為に二人で行かなければいけないといっても、

「はい、そうですか」

なんて、二人分をお願いできるわけも無く、かといって赤字を出して二人で新幹線で行くわけもいかない。それにいつか自分で事務所をやっていくことになるスタッフに設計事務所としての経済観念を分かっていてもらうためにも、二人して夜行バスで向かうことにする。

深夜に新宿西口から出発し、早朝に大阪・梅田駅に到着し、一人4000円ほど。一人で大阪に行くよりもやや安くあがるので、その分仕事終わりで少し大阪で飲みに行こうということに。

夜行バスに前に乗ったのはいつだったか?と思いながら、二人で軽く居酒屋で飲んで準備をし、乗り込むバスは、寝ている人もいますから、と携帯の液晶を光らせることも、カーテンを空けて外を見ることもできない、完全に密封状態。

たまたま大阪行きの夜行バスで、隣に乗り合わせて会話が盛り上がって・・・

なんてことは、まったく起こりうることもなく、客同士のトラブルも、会社に対するクレームも排除するために、それが起こる前の段階で、100%他者との接触を起こさないようにする規制緩和後のバス会社の戦略に見える、いかにも現代の日本。

揺れる真っ暗な車内で、身体のあちこちが痛くなりながらも、侘しい世の中になってきたもんだと眠りに落ちる。


2012年1月25日水曜日

審査


アートポリス推進賞の最終候補に残りましたので、現地審査の為の段取りをお願いします。

と、熊本県庁のアートポリス担当者より連絡が入る。現地審査と言っても、詳しい内容は教えてくれないので、一体どんな準備をすればいいのか分からない。とりあえずお施主さんと施行業者の担当者さんに連絡を入れて、まずは当日住宅を見せてもらうことを了承してもらい、できることを準備して前日より現地入り。

恐らく「若手」と言われる建築家で、いくら巨匠の事務所に勤めていたといっても、恐らくこのような審査は先生が立ち会っているはずだから、結構皆どんな風に審査が進むのかを知るのは難しいのでは?とネットを検索しながら思う。

例えばスリッパは審査員分+県の担当者分を用意すればいいのか?などとお施主さんから聞かれると、確かにそうだな・・・と思わずにいられない。

そんな訳で県の担当者さんに電話をして、聞いてみると、スリッパは用意してもらえれば助かりますが、必須ではないので気にしないで下さいとのこと。そう言われれば逆に気にするのが人間というもの。そうなると、お茶や茶菓子などはどうなるんだ・・・と前日からお施主さんと頭を悩ます。

しかしそんな心配がなんだったかと思うほど、審査と言うのは嵐の様に過ぎ去っていくものらしく、ほぼ時間通りに到着した数台の車が敷地の前に無造作に駐車され、青木淳氏を筆頭に東京から数名の有名建築家などで構成された審査員と担当者さんが降りてきて、さらっと挨拶をしたかと思うとすぐにそれぞれ好きな様に見始める。

お施主さんのご好意で実家より用意してもらったスリッパは当たり前の様に履かれて、それぞれが結構勝手知った感じで歩きまわって、更には気になった納まりなんかを詳しく聞いてくる。流石に事前に提出図面で構成は分かっているだろうが、これはいかんと、建物を一番理解してもらえるルートに沿って各空間を説明し、ぐるっと周囲も回ってもらう。

そんなこんなしているうちに、あっという間に30分が過ぎて、こちらが伝えたいと思っていたことなどはほとんど言えぬ間に「では次もありますので・・・」と嵐の様に過ぎ去っていく審査員達。お茶など飲む時間などは皆無。

審査員として住宅を見るのは皆さんお手の物で、言われなくても見るべきところは分かってるという感じなのだろうが、恐らくどの審査対象作品の建築家も産みの親としては子供の良いところがちゃんと伝わったか一抹の心配を感じずにはいられない夜を過ごすのだろうと想像する。







2012年1月19日木曜日

古くから変わらぬもの



三国志などを読んでいると、そんな古い時代でも時間が空いて少し退屈を感じたら、

「劉備を招いて宴会じゃ」

などと、すぐに興味深い友人を呼んでは宴会をしていたんだと妙に納得する。

どんな時代になっても、気の置けない友人達と程よいアルコールの力を借りつつ過ごす時間は、手を替え品を替え登場するどんな娯楽にも負けないものなんだと、再認識させられる。

大したご馳走は用意は出来ないかもしれないが、常に招き招かれるそんな友人達と歳を重ね、一緒に管を巻いていけるのが楽しみだと、オフィスで新年会の準備をしながら想いを馳せる。

2012年1月12日木曜日

アジアデザイン大賞2011 Merit賞 受賞のお報せ











昨年夏に竣工しました、熊本の「宮原邸」がアジアデザイン大賞2011のMerit賞を受賞いたしました
日本語でいうと奨励賞みたいなものかと思います。

2011 アジアデザイン大賞 受賞者一覧

DFA Award 2011 Merits Winnersの
「19. Miyahara House MAD」が我々の作品となっております。

MADにとって日本国内最初の住宅作品となりますが、
高温多湿の日本の気候に配慮し、内部空間が3次元的に組み合いながら、
流動的な空間の構成と、室内に様々な風景をつくることができたのではと思っております。

少しでも多くの人に喜んでもらえる建築を作って、
今度は是非もっと良い色の賞をいただけるよう2012年も引き続き頑張っていきますので、
今後とも今まで同様の暖かいご支援をいただければ大変嬉しく思います。

それでは2012年も、どうぞ宜しくお願いします。

2012年1月3日火曜日

七福神巡り

正月休みの帰省から東京に戻って、まず取り掛かるのは港七福神めぐり

通常の七福神に宝船を加えた8箇所の寺社巡りで、これを済ませると一年のスタートという気分になれる。

昨年集めた8つのまゆ守りを片手に寒空の下、七福神めぐりの開始。

①十番稲荷神社   宝船
②大法寺       大黒天
③氷川神社社務所 毘沙門天
④櫻田神社      壽老神
⑤天祖神社      福禄寿
⑥久国神社      布袋尊
⑦熊野神社      恵比寿神
⑧宝珠院       弁才天

よいペースで回ることができ、午前中で最終の宝珠院到着。

すがすがしい気分で、そのまま増上寺に向かって昨年の厄除けのお札とお守りをお焚き上げしてもらい、変化のある今年なだけに多くの祈願をして、スッキリと箱根駅伝の応援へと向かう。

箱根駅伝 2012

















昨年に引き続き、増上寺前での応援。
今年は妻も引き連れての応援となった。

七福神めぐりも終えて、増上寺でのお焚き上げも終えて、通過予定時刻を確認し、ワンセグで中継を見ている人に状況を教えてもらい、さて母校は何位で入ってくるか?軽いお祭り気分を味わう。

何といっても今年は東洋大学の圧倒的強さ。これに尽きる。

最後の一校まで応援して、気分も晴れやかに駅に向かうと、行きつけの居酒屋の若旦那に声をかけられ、新年の挨拶がてらに一杯引っ掛けに行くことにする。

季節モノには流される。
それが正しい日本の正月なのだと実感する。

2012年1月1日日曜日

禁煙

一年前の正月の家族会議。満場一致で辞めた方がいいとなったタバコ。

禁煙外来の力は借りつつも、一年間全くの一本も吸うことなく時間を過ごせたことになる。

辞めたことで体重が5キロ増えても、吸ってるよりも健康だし、そこから落とせばいいだけだから。

という医者の言葉に甘え、しっかり増量部分はこなし、これから・・・という所にいるんだ。と自分を元気付ける。

来年のこの日に、今日家族で決めた事がまた実現できていますように。と願いを込めて一年を開始する。